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自民党と全国漁業組合青年部との意見交換会から見えた、水産業の現状と未来への提言

2025年4月15日 自民党・全国漁業組合青年部 意見交換会 レポート



2025年4月15日、衆議院第一議員会館にて、自民党と全国漁業組合青年部による意見交換会が開催されました。この会合では、全国各地の漁業者が直面している厳しい現実や、持続可能な水産業の実現に向けた熱意ある提言が交わされました。会合の主な焦点意見交換会では、主に以下の点が重要な課題として挙げられました。


  • 漁獲量の減少と環境の変化: 近年、多くの地域で漁獲量が減少し、魚種も変動しています。これは地球温暖化を含む海洋環境の変化が大きく影響していると考えられています。特に、水温上昇による収穫時期のずれや期間短縮は、もずく養殖やホタテ養殖などで深刻な問題となっています。


  • 漁業者の減少と高齢化: 若手漁師の新規参入が進まず、担い手不足が深刻化しています。燃料高騰も経営を圧迫し、廃業や離職につながるケースも見られます。


  • 魚価の低迷と物価高: 努力して漁獲した魚の価格が低迷する一方で、漁業に必要な燃油や資材の価格は高騰しており、漁業者の経営を圧迫しています。


  • 災害からの復旧と環境悪化: 震災による漁港利用の困難さや湾内の魚の減少、さらには豪雨によるゴミの漂着や工場排水による漁場の環境悪化など、自然災害や人為的な要因による環境問題も深刻です。


未来に向けた提言と取り組み



このような厳しい状況に対し、意見交換会では未来に向けた様々な提言や取り組みが紹介されました。


  • 地域に根差した取り組みの強化: 漁業者、行政、消費者など多様な関係者が連携する「地域漁業管理協議会」の設立構想が示され、地域の実情に合わせた政策提言の重要性が訴えられました。


  • 漁業の魅力発信と担い手育成: 漁業の現状や魅力を積極的に発信し、若者を含む多様な人材に漁業を知ってもらい、興味を持ってもらうための取り組みが進められています。新規就業者への経済的支援や研修制度の拡充の必要性も提言されました。


  • 環境変化への適応と新たな漁業: 気候変動に対応した養殖技術や漁法の導入、藻場保全といった環境対策、そしてブルーカーボンの活用による新たな価値創造や収益化の可能性が模索されています。


  • 未利用魚の活用と価値向上: これまで利用されてこなかった魚種の活用方法の研究や、加工技術を活かした新たな商品開発、旬に捉われない販売戦略などにより、魚の価値を高める取り組みが進められています。


  • 持続可能な制度への見直し: 水産物の安定供給だけでなく、漁業者の生活や地域の文化を守る視点の重要性が共有されました。漁業法を含む制度の見直しを通じて、漁業者が安心して漁業を続けられる環境整備を目指す方向性が示されています。


質疑応答から見えたこと


質疑応答では、水産庁の国民への安定供給以外の視点や、若手漁業者の参入促進策、新たな漁法への挑戦への支援、海洋環境の変化への対策、そして地域ごとの特性を考慮した資源管理の重要性などが議論されました。


既存の制度が必ずしも現場の実情に合っていない可能性も指摘され、漁業者の声に耳を傾け、柔軟に対応していく必要性が確認されました。

今回の意見交換会は、日本の水産業が抱える多岐にわたる課題を浮き彫りにすると同時に、それぞれの地域で工夫を凝らし、未来に向けて前向きに取り組む漁業者の姿を強く印象付けました。持続可能な水産業を実現するためには、国、地域、そして私たち消費者が一丸となって、この重要な産業を支えていく必要があることを改めて認識させられました。






 
 
 

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